〜インターコンチの夜〜





夕暮れの駅前のロータリーに赤いスポーツカーが止まる。


「ごめん、待った!?」


すまなそうに不二由美子はドアロックを解除する。



「いえ・・・今、来たばかりです。」


普段、時間にうるさい観月が、由美子のためなら30分待つことなど苦にならない。


助手席に観月が乗り込むと、由美子は車を出した。



「この間のことがあるから・・・私の誘いなんて断られると思ってたわ」



ーこの間のことー

リビングで由美子にからかわれ、いたずらをされた事・・・。

何もかもあっという間の出来事だった。


観月もそのことはまだ鮮明に覚えている。


また、思い出し、顔がカッと熱くなる。


「ふふっ・・・あの後ね。周助に怒られちゃった」


由美子はくすくすと思い出し笑いをする。



「不二くんが・・・ですか?」



「うん、リビングじゃなくて部屋でやってほしいって」



「・・・そういう意味ですか・・・」


観月はちょっと驚いた。周助に嫌われているはずなのに、姉と仲良くなっても嫌がらないのか・・・と。



「今日はお詫びをさせてもらうわね」
由美子はニッコリと微笑みながら、車を湾岸線へと走らせる。



車から流れるBGMと、みなとみらいの夜景がぴったりとあっていた。



「観月君は横浜に来るのは初めて?」

「あ、はい。」

「ここは絶好のスポットよ、ほら!!降りて!!」


由美子に誘われ車から降りると、みなとみらい21地区の夜景が一面に飛び込んできた。



コスモワールドの観覧車、クィーンズスクエア、そしてランドマークタワー。


観光名所がここに集結していた。


そして、横浜港からのここちよい海風が袖を通り抜ける。



「わあ・・・綺麗ですね。
ボクは海辺に来るのは本当に久しぶりです。」

「そう。喜んでもらえてよかったわ」



イルミネーションか゛由美子と観月を照らした。



「今夜はそこのインターコンチネンタルホテルで食事しましょう」


由美子はまた車を走らせ、ホテルの駐車場へ止めた。



ホテルのロビーからエレベーターで最上階のレストランへ向かった。


「一度ここで食事をしてみたかったのよ。今日は観月くんと来れてうれしいわ。」

席へつくなり由美子はうれしそうに言った。



「いえ、ボクの方こそこんなステキな場所に連れてきていただいてすごくうれしいです」



ステキなホテル、ステキなレストラン、ステキな夜景・・・
そして、ステキな人が目の前にいる・・・。



観月はこの上ない満たされた気持ちになっていた。





「あのね、部屋をとってあるの」

観月はドキンとした。



「え?・・・あの・・・その・・・」



「お泊り・・・しましょうよ」



戸惑いながらも、観月は了解した。




食事を終え、二人はツインルームへと向かった。



「ほら・・・この部屋からも夜景がばっちり見えるでしょ!?
上から見るみなとみらいの夜景もまたステキでしょう?」



窓辺から一面に広がる夜景に観月は感動した。


「本当に、すばらしいですね。こんなステキな場所があるなんて。」


その時、ドアのチャイムが鳴った。



「ルームサービスでございます」

ボーイがテーブルにフルーツとシャンパンを置いていった。



「ふふっ、頂きましょう」

由美子がシャンパンの栓をスポンと抜き、グラスへ注いだ。



「乾杯!!」


グラスを軽く合わせてから観月は少し飲んだ。



「これは・・・未成年ですし、アルコールはだめですね」


「そんなこと言わずに少し飲んじゃいなさいよ、
周助や裕太も家では飲んでるんだから。」


由美子はふざけた調子で言った。


「いや・・・あの・・・その・・・」


「いいからいいから・・・。」


そう言いながら由美子は二杯目をグラスに注いだ。


「今夜はのんびりできるんだし・・・大丈夫よ。」



しばらくして、観月がずっと下を向いたまま顔を上げなくなった。


「ないだっていっつもそうだ・・・。
わだすは、いつだって姉さまたちにからかわれて・・・、
ほしてもてあそぱれつたっけんだず。」


「え!?観月くん・・・?」


突然、観月の様子が変わったので由美子は驚いた。



「・・・わだすは、姉さまの友達数人に、
ないだっていっつもないだっていっつも、
いたずらされ続けてきたんだず。」


観月は肩を震わせながら言った。


「観月くん・・・」



「女の子ってのは、みんなわだすば遊び道具として、
無理やり犯したりするんだず。
ずっとずっと、ほだな毎日がすごく嫌で・・・

わだすは山形の家ば出てきたんだず。
んんだげどもら・・・
ほんてんはおだぐさまもわだすのこと、
おもちゃとして思ったんじゃないかってずっと思ってるんだず。

それでも・・・

わだすはおだぐさまが好きんんだげどもらかまいわねえずと思ってます。」


観月はふらつきながらも、由美子の前に立ち


「でも・・・ほんてんは、あだなことやこっだなことも・・・
おだぐさまにしたくてしたくてたまらねえんだず。」


といいながら、由美子をぐいっと抱きしめた。



そして、そのままベッドへと倒れこんでいく・・・。




翌朝、観月が目覚めると由美子はニヤニヤしながら見ていた。

「え!?あ、あの・・・ボク・・・なんで裸!?
あの・・・いつの間に寝てしまったんですか?」


観月は何も覚えていない様子ですごく慌てていた。



「あら!?おだぐさま、
昨夜わだすの身体もてあそんだこと何にも覚えていねずの?」



「!?!?!?
ゆ・・・由美子さん、それって山形弁じゃ・・・」



観月の慌てる様子がすごくかわいいので由美子はふき出してしまった。



「あはははははっ、おだぐさまはわだすにとって最高のおもちゃだわ。」



「・・・・・・・・・・・・・。」



昨夜、自分が何をしたのか覚えていない観月だったが、まちがいなくまた、一人の女のおもちゃになったことだけはわかった。






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この話は、リクエストで成人サイト「萌えて咲くのが華」に書いた
ものなんですが、本編ではかなりエロ仕様になってたので修正してあります。

観月の山形弁がわからなくてあちこち調べました(笑)

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