〜予防接種〜忍岳編〜





「侑士〜、監督が集まれだってよ。」

廊下を歩く忍足を見つけ岳人が駆け寄ってきた。

「なんや、水曜日は部活休みやろ?
帰りは映画観に行こう思うててんのにミーティングかいな」

「何だか知らねえけど行ってみようぜ。」

仕方ないなぁ、という顔をしながら二人は榊のいる音楽準備室へ向かった。

「失礼します」

ドアを開けると跡部をはじめレギュラー部員全員が集まっていた。

「遅えぞ、お前ら!」
いきなり跡部から渇を受けた。


「皆に集まってもらったのは他でもない。
レギュラーには全員インフルエンザの予防接種を受けてもらう。
健康管理には必要なことなので費用は部費から出すこととなった。
各自この封筒を受け取り病院へ向かえ。 以上だ、行ってよし。」

そう言いながら跡部に封筒を渡し榊は出て行った。

「はぁ?注射かよ!?」
岳人は、なんだよといった表情で言った。

「仕方ねぇだろ、うつされても迷惑だろうが。 ほらよ、持って行けよ。」

ふくれっ面の岳人に跡部は封筒を渡した。

「確かに今年はインフルエンザが流行るらしいですからね、
予防接種は受けておいたほうがいいですよ。」
鳳が岳人に言った。

「じゃ、金ももらったし行こうぜ長太郎!」

「はい!宍戸さん。」

宍戸と鳳はさっさと出ていった。

「行くぞ樺地」

「うす。」

「あ〜、跡部俺も一緒に行く!日吉も行こうぜ!」

「・・・はい。」

跡部と樺地の後をジローが日吉を連れて後を追って出ていった。

「仕方ない、俺らも行くで」
忍足は岳人を誘った。

「俺の親父の友達の大学病院が駅の側にあるねん。そこに行くで。」
二人は病院へ向かった。

「でっかい病院だな・・・予防接種ってどこだよ?」
岳人はキョロキョロと見回している。

「あそこの新患受付で申し込むんや」
忍足は保険証を差し出し窓口に声をかける。

「お姉ちゃん、予防接種はどこや?」

「インフルエンザですか?」

「そうや」

「えっと・・・三階です。」

受付でカルテを受け取り二人は三階に向かった。

エレベーターを降りて岳人が叫んだ。

「なんだよ!?ここ、小児科じゃねぇかよ!」

「当たり前や、俺らまだ中学生やん。医学的には15歳までは小児科なんやで?」
忍足は岳人に説明した。

「なんや、岳人の付き添いみたいな感じになってしもたなぁ」
ニヤニヤしている忍足に岳人は

「ば、ばかっ何言ってんだよ!」
と慌てた。

「注射怖いんとちゃう?」

「んなわけねーだろ!ガキじゃあるまいし!」
岳人の顔が真っ赤になると同時に名前が呼ばれ二人は中に入っていった。



帰り道、

「あ〜ぁ、映画の時間過ぎてしもたなぁ」
忍足がため息をついた。

「じゃ、俺んち来いよ。新しいゲーム買ったから一緒にやろうぜ。」

「ふ・・・。
岳人、俺を誘ってるん?
ええよ、またたっぷりかわいがってあげるで?」

「ばかばか侑士!
さっき医者に
『今夜は風呂に入ってもいいけど激しい運動はだめ』
だって言われただろうが!」

「あ、そうやった・・・。」

「まったく、また跡部の奴に『詰めが甘い』って言われるぜ」

二人は笑いながら歩いて言った。

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岳人は小児科って感じするなあ(笑)








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