〜予防接種〜跡部〜




「あいつら遅いな・・・。」
音楽準備室で跡部はいらついていた。



「失礼します」

忍足と岳人がドアを開けると跡部は

「遅えぞ、お前ら!」
と渇を入れた。

全員が揃い榊が立ち上がった。


「皆に集まってもらったのは他でもない。
レギュラーには全員インフルエンザの予防接種を受けてもらう。
健康管理には必要なことなので費用は部費から出すこととなった。
各自この封筒を受け取り病院へ向かえ。
以上だ、行ってよし。」

そう言いながら跡部に封筒を渡し榊は出て行った。

「はぁ?注射かよ!?」
岳人は、なんだよといった表情で言った。

「仕方ねぇだろ、うつされても迷惑だろうが。
ほらよ、持って行けよ。」

ふくれっ面の岳人に跡部は封筒を渡した。

「確かに今年はインフルエンザが流行るらしいですからね、
予防接種は受けておいたほうがいいですよ。」
鳳が岳人に言った。

「じゃ、金ももらったし行こうぜ長太郎!」

「はい!宍戸さん。」

宍戸と鳳はさっさと出ていった。

「行くぞ樺地」

「うす。」

「あ〜、跡部俺も一緒に行く!日吉も行こうぜ!」

「・・・はい。」

跡部と樺地の後をジローが日吉を連れて後を追って出ていった。

「仕方ない、俺らも行くで」
忍足は岳人と行った。



「なぁなぁ跡部、どこに行くんだよ?」
ジローはなんだか楽しそうだ。

跡部はタクシーを止め

「知り合いの病院へ行く、乗れ!」
とタクシーで病院へ向かった。



「うわっマジマジすっげ〜!ホテルみたいな病院じゃん!」
病院に着いたと同時にはしゃぐジローに跡部は

「ここは病院だ、静かにしろ!」
あきれた顔で跡部が叱る。



「跡部様、お待ちしておりました。
こちらでしばらくお待ち下さい。」
と、看護師が迎えに来た。

待合室に入ると子供たちが
「うわあっ、大きい〜お兄ちゃん!」
と樺地に近寄ってきた。

「おい、樺地。 俺の予診票も書いておけ」
跡部は予診票を樺地に手渡した。

「うす。」
樺地はスラスラと書く。

「お兄ちゃん、一緒に遊ぼうよ」
と、女の子が日吉に話しかけてきた。

「!?・・・。」
どうしていいか固まる日吉にジローが代わりに答えた。

「オレが遊んであげるよ!何がいい?」
「おままごと! お兄ちゃんは赤ちゃん役ね。」

「えぇ!?マジマジ?」
などと言いつつジローは少女と遊んでいる。

その様子を見ていた跡部が

「これじゃどっちが子供かわかんねぇな」
と、笑った。

程なく
「やあ、景吾くん久しぶり! 大きくなったね。」
と医師が話しかけてきた。
跡部の主治医らしい。



その後予防接種を済ませての帰り道、

「なあなあ跡部、あれお前の知り合いの医者かよ?」

「まあな、俺様を取り上げた医師だからな」

「マジマジ!? んじゃ跡部の生まれた瞬間からの付き合いじゃん!」

「そうだな」

「うらやまC!!」

「あ〜ん?なんだよ、それ。
お前はこれからの俺様の姿を見ていればいいんだよ。」

「う・・・ん。そうだね。」

盛り上がる跡部とジローのやりとりに入れない日吉に跡部が近づき

「日吉・・・週末、泊まりに来い。」
と耳元でささやいた。

「・・・はい。」

日吉はうつむいた。



「じゃあな。帰るぞ樺地!」

「うす」

樺地は跡部の後を付いていった。

「なあ樺地。
今晩泊まって行けよ・・・。」

「・・・うす。」

夕闇に二人の姿が溶け込んでいった。






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うわ〜、さすが跡部さま!!すごい体力(笑)









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