〜予防接種〜鳳宍〜





「あいつら遅いな・・・。」
音楽準備室ではレギュラーが揃い始めていた。

「跡部の奴かなりいらついているな。」
宍戸が鳳にボソッと言った。

「そうですね。もう10分くらい待ってますからね。」
長太郎もボソッと返した。

「失礼します」

忍足と岳人がドアを開けると跡部は

「遅えぞ、お前ら!」
と渇を入れた。

全員が揃い榊が立ち上がった。

「皆に集まってもらったのは他でもない。
レギュラーには全員インフルエンザの予防接種を受けてもらう。
健康管理には必要なことなので費用は部費から出すこととなった。
各自この封筒を受け取り病院へ向かえ。
以上だ、行ってよし。」

そう言いながら跡部に封筒を渡し榊は出て行った。

「はぁ?注射かよ!?」
岳人は、なんだよといった表情で言った。

「仕方ねぇだろ、うつされても迷惑だろうが。 ほらよ、持って行けよ。」

ふくれっ面の岳人に跡部は封筒を渡した。

「確かに今年はインフルエンザが流行るらしいですからね、
予防接種は受けておいたほうがいいですよ。」
鳳が岳人に言った。

「じゃ、金ももらったし行こうぜ長太郎!」

「はい!宍戸さん。」

宍戸と鳳はさっさと出ていった。

「行くぞ樺地」

「うす。」

「あ〜、跡部俺も一緒に行く!日吉も行こうぜ!」

「・・・はい。」

跡部と樺地の後をジローが日吉を連れて後を追って出ていった。

「仕方ない、俺らも行くで」
忍足は岳人と行った。

そして宍戸たちは・・・。

「宍戸さん、あそこのクリニックに入りましょう。」

「おう、そうするか」

宍戸と長太郎は商店街のクリニックに入っていった。

「うわっ、すごい混んでますね。」
長太郎が驚いた。

「ただいまの待ち時間は90分です。」
受付の女性に言われ

「そんなに待つんですか・・・。」

と長太郎はため息をついた。

「この時期、風邪も多いからな。
うつされないように外に出て時間潰して来ようぜ。」

と、宍戸は長太郎を外に連れ出した。

商店街の小物店前で宍戸が立ち止まった。

「お!あの帽子かっこいいな。 ちょっと見ていこうぜ。」

二人は店に入っていった。

「この色なんかいいなぁ」

「宍戸さんに似合いそうですね。」

長太郎も店内を眺めた。

「あ、これ宍戸さんにぴったりだ!」

「え!?」

長太郎の差し出した商品に宍戸は驚いた。

「ばっか野郎! これはウィッグじゃねえかよ!」

「だって・・・。
これをつければ宍戸さんの昔の髪型になるじゃないですか?
きっと似合いますよ」

長太郎はニコニコしながら宍戸にかぶせた。

「・・・ほら、似合ってますよ。」

店内の鏡に映った姿を見て宍戸は

「なんだかこの髪の長さ懐かしいな」

と、まんざらでもなさそうだ。

「あっ!」

「!?どうした長太郎?」

「これ・・・俺のと同じクロスっすよ。」

「あ、ほんとだ。」

「こんなところに同じものが売っているなんて・・・。」

「そうだな・・・。」

二人は店内をしばらく見ていた。

「あ、そろそろ時間だぜ。 病院に戻ろうぜ」

「はい!」

クリニックに戻るとすぐに順番が回ってきた。



「さあ、予防接種も終わったし帰ろうぜ」

「あ、宍戸さん、俺の家に寄っていきませんか?」

「おう」

そして長太郎の家に宍戸は寄った。

「宍戸さん、実はさっきの店でこれを買ったんですよ。」
と、長太郎はウィッグを取り出した。

「俺、宍戸さんの長い髪好きだったですから」

長太郎が宍戸にウィッグをかぶせた。

「あっ!!」

長太郎は驚いた。

「宍戸さん、それ・・・。」

「ああ、これか?
俺もさっきの店でこれを買って来たんだよ。
長太郎とお揃いのクロス付けてみたくなってな。」

ちょっと照れながら宍戸は言った。

「宍戸さんっ! 俺、うれしいっすよ!!」

ガバッと長太郎は宍戸に抱きついた。

「痛っ!
ばっか、注射打ったとこが痛いだろ!」

「あっ、すいません! ついつい嬉しくって」

「でもよ・・・。
俺たちって本当に最高のダブルスペアだよな」

「はい!」

宍戸と長太郎はにっこり笑った。






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うわ!!ナチュラルすぎ!!








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