裕太は支度をしてお風呂に入った。




「あれ?このシャンプー、観月さんのと同じだ。」




裕太は由美子のシャンプーを手に取った。




たまに寮の浴室で観月と一緒になると、裕太はいつもこのシャンプーで観月に髪を洗ってもらっていた。




“観月さん、今頃何をしてるのかな・・・”




裕太が物思いにふけっていると浴室のドアが開いた。




「やぁ、裕太。」



「あ!?兄貴!?」



“うわっ、いきなり裸かよ!”



焦る裕太をよそに周助はにこにこしながら入ってきた。




「久しぶりに背中を流してあげるよ。」




「え?いいよ、そんなこと・・・。」




裕太は少し敬遠気味に言った。




「ふふっ、僕は久しぶりに裕太が戻って来てくれて嬉しいよ。
だから昔みたいに一緒に話しながらお風呂に入りたかったんだよ。」




楽しそうにニコニコしながら言われると邪険にもできない裕太は




「まあな。」と答えた。




「ふーん、裕太はシャンプーを使うようになったんだね。 前は石鹸だったのに。」




「う、うん。」




「こうしてよく見ると身体もずいぶん大きくなったんだね。」




「あんまりジロジロ見るなよ・・・。」




「ああ、ごめん。」




笑いながら周助は裕太の背中をこすり始めた。




「いてっ!!」



ガリッと裕太の背中に痛みが走った。




「ああ、ごめん。痛かった!?」




周助はスポンジを見せた。




「な!?これ、サボテンじゃねえかよ!!」



裕太は怒りだした。




「ぷっ!違うよ。これはヘチマだよ、裕太。」




「はぁ!?ヘチマ!?」




その時、風呂場のドアが開いた。




「何かあったの?大きな声を出して・・・。」




由美子が様子を見に来た。




「ああ、姉さん。今、裕太の背中を流していたんだよ。」




周助は事情を説明した。




「そうだったの?ならいいけど、もうすぐご飯よ!」




「ああ、わかったよ。早めに出るね。」




周助は立ち上がって湯船に入ろうとした。




「ふふっ、周助も裕太も大きくなったわね。 二人ともあんなに小さかったのに・・・。」




由美子はニヤニヤしながら見ている。




“なんだよ、姉貴、早く行けよ!”



裕太は下を向いていた。




「そうねえ、もう少しワイルドに毛深いほうがいいわね。」





「やだなぁ、姉さんったら。でも、そうなのかな?」




周助は笑いながら照れていた。




“俺、この家族に付いていけない・・・。”




裕太は翌朝、寮に帰って行った。





*****************

不二兄弟っておもしろいですね〜。
由美子姉さんも、かわいい弟がいてうらやましいです!

でも、裕太にはこの姉と兄のノリについて行けなかったようですね(笑)








戻る

ご意見・ご感想はこちら
























女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理