「じゃ苦手科目から頑張ろうね。」


「はい。すいません、木更津さんも忙しいのに。」


「いいんだよ、僕は弟の気持ちってすごくわかるから・・・。」


木更津の顔が曇った。


「え!?」


裕太はいつもと違う木更津の様子に驚いた。


「ほら、僕って双子だろ?よく兄貴と比べられちゃってたからさ。」


「あぁ、兄貴と・・・。」


裕太はうなずいた。


「もう、嫌だったんだ。“木更津弟”って呼ばれるのが!」


「木更津弟?」


「裕太もわかるだろ?天才の兄貴と比べられる屈辱を!」


「・・・はい。」


「観月だって最初は兄貴と間違えて僕をスカウトした。
だからこそ、ここで兄貴以上になりたいって思っているんだ。
私立の月謝を払う両親のことを思うと、しっかり勉強も頑張ろうって思うんだ。」



『そうか、この人もずっと“弟”ってことで苦しんでいたんだな・・・。』


裕太は同じ目標を持つ木更津に目を輝かせた。


「木更津さん!俺も兄貴を越えるためにここに来たんです!」


「なら、弟同士、一緒に頑張ろうよ!」


「はい!」


「でも、裕太の成績じゃ兄貴を越えるのは大変だろうね。」


くすくすと木更津は笑った。


「う・・・。」


絶句する裕太。



ピーリカピリララ〜♪


突然、裕太の携帯が鳴った。


「もしもし、あっ、兄貴・・・。」


兄の周助からの電話だ。


“やあ裕太、もうすぐテストだろ?大丈夫かい? 家に帰って来ないのかい?“


「兄貴・・・心配しなくても大丈夫。
俺、今回は自信あるんだ。だから家には帰らないよ。」


裕太は兄貴を越えるためにまた一つ成長して行った。








***************
これは、実家を離れて兄に負けないように頑張っている弟たちの
本音みたいなものを書いてみました。

弟たち、がんばれ〜O(≧∇≦)O


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