「音楽ですか?」


観月はキョトンとした。


「俺、音符とかは教科書を読んで覚えてるんですけど、歌の方が苦手で・・・。」


裕太は照れながら言った。



「筆記はできても実技試験が赤点では困りますね・・・。」


観月は眉をひそめた。


「俺、音痴だから・・・。」


裕太は肩を落とした。



「それでは、複式呼吸と発声練習を一緒にしましょうか?」


「はい!お願いします。」


観月の誘いに裕太は嬉しそうに答えた。


「では、お風呂に行きますよ。」


「えぇ?」


「さあ、早く!」



裕太はわけわからずに、風呂場へと連れて行かれた。





チャポン・・・。


湯船に浸かり、観月は裕太に言った。


「浴槽の中だと湯気でのどを痛めることなく発声練習ができますよ。」


「あ〜。」


観月に続いて裕太も声をだした。


「あ〜。」


「そうです。こんな感じで発声練習をして
歌のテストでは姿勢をよくして大きい口を開けて歌えばバッチリですよ。」


観月はにっこり笑う。


「はい!頑張ります!」


「ああ〜」


裕太は一気に声をあげた。


「ん〜そうですね〜、もう少しお腹から声を出すようにしましょう。」



観月が裕太のお腹に手を当てた。



“ドキッ”


裕太は観月に触れられただけで緊張してしまった。




「さあ、この辺が凹むまでお腹の中から声を出すんですよ。」


観月は裕太の下腹を軽く押した。


「あっああー!」


裕太はビクンとしながら感じてしまった。




「う〜ん、素晴らしい!
こんな良い声が出るじゃないですか。」


“うわっ、誉められちゃったよ”


裕太は慌てた。




「今の声で歌えば合格ですよ。」


にこやかに笑う観月は鼻歌まじりで風呂を出ていった。





その後、裕太は下腹を押さえてしばらく風呂から上がれなかった。




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観月のレッスンて、すごい効果があるんですね〜(笑)













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